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交通事故の死亡事故を防ぐには|年齢層・時間帯別リスクと対策

交通事故の死亡事故を防ぐには|年齢層・時間帯別リスクと対策
Photo by Wes Hicks on Unsplash
この記事の要点
  • 令和7年(2025年)の交通事故死者数は2,547人(前年比116人減)で、統計が残る昭和23年以降で最少となりました。
  • 65歳以上の高齢者が死者全体の55.9%を占め、依然として最もリスクが高い年齢層です(前年比90人減)。
  • 令和8年(2026年)上半期の死者数は1,162人で、前年同期からほぼ横ばい(1人増)の推移です。
  • 「死亡事故」は事故発生から24時間以内に死者が出た事故を指す、警察庁統計上の用語です。
  • ⚠️ 薄暮時間帯(日没前後)、特に17時台〜19時台は歩行者が絡む死亡事故が多発します。
  • 🔴 本記事は特定の事故や被害者を扱うものではなく、全国統計に基づく一般的な安全解説です。

本記事でいう「死亡事故」は、電車と人が接触する鉄道の人身事故ではなく、自動車・自転車・歩行者が関わる道路上の交通事故のことです。警察庁の統計では、令和7年(2025年)の交通事故死者数は2,547人で過去最少を更新し、令和8年(2026年)上半期も1,162人とほぼ横ばいで推移しています。

「死亡事故」とはどのような事故ですか?鉄道の人身事故とは違いますか?

「死亡事故」とは、自動車・自転車・歩行者が関わる道路上の交通事故のうち、発生から24時間以内に死者が出た事故を指す統計上の用語です。電車が人と接触して起きる「人身事故」とは別の分類で、本記事では鉄道の事故には触れません。警察庁の統計では、この24時間以内の死者を「死者(24時間死者)」と呼び、これに加えて、事故発生から24時間を過ぎたあと30日以内に亡くなった人を合算した「30日以内死者」という、国際比較用の集計方法も別に用意されています。ニュースや統計で単に「死亡事故」「交通事故死者数」という場合は、前者の24時間死者を基準にしていると考えて差し支えありません。

交通事故の死亡事故は、1年間にどのくらい起きていますか?

警察庁の発表によると、令和7年(2025年)中の全国の交通事故死者数は2,547人で、前年より116人(4.4%)少なく、統計が残る昭和23年(1948年)以降で最少となりました。一方で、けがの程度が重い「重傷者数」は27,563人と、前年より278人(1.0%)増えています。死者数が減る一方で重傷者数は増えており、単純に「事故そのものが減っている」とは言い切れない状況です。

年齢別に見ると、65歳以上の高齢者の死者数は1,423人で、前年より90人(5.9%)減ったものの、死者全体の55.9%と過半数を占めています。状態別では、歩行中が36.2%、自転車乗用中が12.3%、自動車乗車中が32.9%となっており、歩行者と自転車利用者を合わせると死者の約半数を占めます。

2026年に入ってからの状況はどうなっていますか?

警察庁が2026年7月31日に発表した速報によると、令和8年(2026年)上半期(1〜6月)の交通事故死者数は1,162人で、前年同期からほぼ横ばい(1人増、0.1%増)でした。65歳以上の高齢者の死者は633人で、前年同期より26人(3.9%)少なくなっています。状態別では、全年齢では「自動車乗車中」の死者数が最も多くなった一方、65歳以上の高齢者に限ると「歩行中」が最多でした。歩行中・自転車乗用中の死者数はいずれも減少傾向にある一方で自動車乗車中の死者は増加傾向にあり、あわせて75歳以上の運転者による死亡事故件数も、上半期ベースで2年連続の増加となっています。

年間と上半期の主な数字を並べると、次のとおりです。

項目令和7年通年令和8年上半期
期間2025年1〜12月2026年1〜6月
交通事故死者数2,547人(過去最少)1,162人
前年(同期)比-116人(-4.4%)+1人(+0.1%)
65歳以上の死者数1,423人(-90人、-5.9%)633人(-26人、-3.9%)
死者が最も多い状態歩行中(36.2%)自動車乗車中

令和8年の通年の確定値は、例年のパターンでは2027年1月上旬ごろに警察庁から発表される見込みです。

どのような時間帯・状況で死亡事故が起きやすいのですか?

歩行者が関わる死亡事故は、日没の前後にあたる「薄暮時間帯」、特に17時台から19時台にかけて多く発生する傾向があります。警察庁が令和3年から令和7年までの5年間の事故を分析した結果では、歩行中の死亡事故のうち事故類型別で「横断中」が約8割を占め、そのうち横断歩道以外の場所を横断していたケースが約7割にのぼります。さらに、横断歩道以外を横断していた歩行者の約7割には、何らかの法令違反があったことも分かっています。日が短くなる秋から冬にかけては、明るい時間帯の感覚のまま出かけて、気づいたときには薄暗くなっているということが起こりやすく、特に注意が必要な時期です。

高齢者の死亡事故を防ぐには、何に注意すればいいですか?

65歳以上の高齢者は交通事故死者全体の55.9%を占めており、年齢層の中で最もリスクが高いグループです。警視庁の集計では、2025年に東京都内で交通事故により亡くなった人のうち歩行中が60人と最も多く、その6割超にあたる37人が65歳以上でした。高齢の歩行者にとっては、道路を横断する際に車の速度や距離を見誤りやすくなること、高齢のドライバーにとっては、とっさの反応や判断にかかる時間が変化することなどが、事故につながりやすい要因として挙げられます。国は第12次交通安全基本計画のもとで、高齢の歩行者や運転者を含めた安全確保を重点課題の一つに掲げています。

歩行者・自転車利用者・ドライバーができる予防策は何ですか?

歩行者・自転車利用者がすぐにできる対策は、反射材やLEDライトを身につけて、ドライバーから早く見つけてもらえるようにすることです。特に薄暮時間帯から夜間にかけては、腕や足、かばんなど動きのある部分に反射材を付けると、車のライトを反射して気づかれやすくなります。多少遠回りになっても、道路を横断するときは横断歩道を使うことが、統計の上でもリスクを下げる基本の行動です。

ドライバー側については、薄暮時間帯に入ったら早めに前照灯(ヘッドライト)を点灯し、住宅街や見通しの悪い交差点の手前では速度を落とすことが呼びかけられています。運転中のスマートフォン操作などの「ながら運転」を避けること、同乗者も含めてシートベルトを着用することも、被害の程度を左右する基本的な対策です。どれも特別な対策ではありませんが、薄暮時間帯や高齢者が関わる事故のリスクが特に高いという統計を踏まえると、日々の小さな習慣の積み重ねが死亡事故を防ぐ土台になります。

「死亡事故」という言葉は、特定の事件を指すものではなく、警察庁が毎年まとめる全国統計上の用語です。数字は年々更新されていきますが、薄暮時間帯や高齢者に事故が集中しやすいという傾向は大きくは変わりません。反射材の携行や横断歩道の利用、早めのライト点灯といった基本の対策を、季節の変わり目にあらためて意識してみてください。

どう確認したか

令和7年(2025年)の交通事故死者数2,547人・前年比116人(4.4%)減・統計が残る昭和23年以降で最少という数字は、警察庁が2026年1月6日に発表した「令和7年中の交通事故死者数について」から直接確認しています。 65歳以上の高齢者の死者数1,423人(前年比90人減、5.9%減、全体の55.9%)、状態別の構成比(歩行中36.2%、自転車乗用中12.3%、自動車乗車中32.9%)は、同発表を報じたnippon.comとリセモムの記事で確認しました。重傷者数27,563人(前年比278人増、1.0%増)は、JAF交通安全トレーニングコラムなど複数の二次報道で一致しています。歩行中死者数そのものの前年比増減については、今回参照できた範囲の情報源で一致する具体的な数値を確認できなかったため、本文では明記していません。

令和8年(2026年)上半期(1〜6月)の交通事故死者数1,162人(前年同期比1人増、0.1%増)、65歳以上の死者633人(同26人減、3.9%減)、状態別では全年齢で「自動車乗車中」が最多、65歳以上では「歩行中」が最多という内容は、警察庁が2026年7月31日に発表した「令和8年上半期における交通死亡事故の発生状況等」から確認しています。 75歳以上の運転者による死亡事故件数が上半期ベースで2年連続増加しているという点も、同発表を報じた二次報道で確認しました。

「死者(24時間死者)」は事故発生から24時間以内に死亡した場合を指し、これとは別に24時間経過後30日以内の死者を加えた「30日以内死者」という国際比較用の統計もあるという定義は、警察庁「交通事故統計における用語の解説」ページで確認しています。

薄暮時間帯に歩行者が絡む死亡事故が多発すること、歩行中死亡事故の事故類型では横断中が約8割を占め、そのうち横断歩道以外での発生が約7割、さらにその約7割に歩行者側の法令違反があったという分析は、警察庁「薄暮時間帯における交通事故防止」ページで確認しています。 ⚠️ この分析は令和3年〜7年の5年間の事故を集計したもので、単年ごとの割合ではありません。

⚠️ 東京都内で2025年に交通事故で亡くなった人のうち歩行中が60人で最多、そのうち37人が65歳以上だったという数字は、警視庁の統計を引用した検索結果で確認できましたが、警視庁のページ自体には接続できなかったため一次資料での直接確認はできていません。

🔴 本記事は特定の日付・路線・事故・被害者・加害者を一切扱わない、警察庁が公表する全国集計値に基づく一般的な交通安全解説です。個別の事故の状況や原因には言及していません。