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パリロンシャン競馬場の歴史と特徴|凱旋門賞の舞台を解説

パリロンシャン競馬場の歴史と特徴|凱旋門賞の舞台を解説
Photo by Jevgeņijs Grigorjevs on Unsplash
この記事の要点
  • パリロンシャン競馬場は、パリ16区のブローニュの森にある芝の競馬場です。1857年4月27日に開設され、凱旋門賞(芝2400m)が行われます。
  • コースは5種類で、周回の大2750m・中2500m・小2150mに、新コース1400mと直線1000mがあります。凱旋門賞は大コースを使います。
  • 芝2400mは高低差が約10mあり、最後の直線の手前に約250mのフォルスストレートが続きます。実際の直線は平坦で533mです(JRA)。
  • 2015年の凱旋門賞の翌日に解体が始まり、約2年の工事で2018年4月に再開しました。2016・2017年の凱旋門賞はシャンティイで行われました。
  • 🔴 日本調教馬は2025年まで凱旋門賞で優勝がなく、最高着順は2着4回です。この記述は2025年までの記録で、2026年の結果は反映していません。
  • レースレコードは2011年デインドリームの2分24秒49(2025年時点)。出走馬や発走時刻などは本稿では扱いません。

パリロンシャン競馬場は、フランス・パリ16区のブローニュの森にある芝の競馬場で、凱旋門賞(G1・芝2400m)の舞台として知られています。1857年4月27日に開設され、2018年4月に大改修を終えて現在の名称になりました。コースの最大の特徴は、約10mの高低差と、最後の直線の手前に続く「フォルスストレート(偽りの直線)」です。

パリロンシャン競馬場とはどんな競馬場ですか?

パリロンシャン競馬場(パリロンシャンけいばじょう)は、フランスの競馬団体France Galop(フランスギャロ)が運営する、パリ西部の芝の競馬場です。セーヌ川沿いのブローニュの森の中にあり、JRAの紹介ではエトワール凱旋門から約5km、ポルトマイヨーの交差点から車で10分ほどの距離です。

項目内容
所在地パリ16区、ブローニュの森
運営France Galop
初開催1857年4月27日
収容人数5万人
敷地約57ha(うち芝コース17ha)
コース5種類、スタート地点46か所

数字はFrance Galop公式ページによります。JRAは、フランスの平地G1・28競走のうち16競走がこの競馬場で行われ、凱旋門賞の週末は土日の2日間でG1が8競走組まれると紹介しています(2025年9月時点)。

「ロンシャン競馬場」と「パリロンシャン競馬場」は同じ競馬場ですか?

同じ競馬場です。2018年4月の改修再開に合わせて、呼び名がロンシャン競馬場からパリロンシャン競馬場に改まりました。JRAは、花の都パリにあるイメージを打ち出すための改称と説明しています。

そのため、2018年より前の凱旋門賞の記録や資料に出てくる「ロンシャン」も、この競馬場のことです。現在の日本語表記は、JRAの公式表記にならって「パリロンシャン競馬場」としています。

競馬場はいつ、どんな経緯でできましたか?

1857年4月27日、皇帝ナポレオン3世と皇后ウジェニーが臨席して、最初の開催が行われました。France Galopの沿革によると、それまで秋の開催があったシャン・ド・マルスは条件が悪くなっており、新しい競馬場の場所としてブローニュの森が選ばれました。1856年にパリ市が、かつてロンシャン修道院の領地だった平原を、競馬を運営していた協会に与えたとされています。

年できごと
1857年最初の開催(4月27日)
1863年パリ大賞が創設される
1904年木造だったスタンドが石造に建て替えられる
1920年凱旋門賞が創設される
1962〜67年スタンドが部分的に建て替えられる
2015〜2018年全面的な改修。2018年4月に再開

競馬場は戦禍とも無縁ではありませんでした。France Galopの沿革は、1870年のパリ包囲戦での爆撃、第一次世界大戦中の転用、1943年の爆撃を挙げています。

2015〜2018年の改修では何が変わりましたか?

2015年の凱旋門賞の翌日に解体が始まり、約2年の工事を経て、2018年4月にスタンドなどを一新して再開しました。設計は建築家ドミニク・ペロー(France Galopの英語ページではDominique Perrault)です。JRAによると、スタンド、パドック、検量室など多くの施設が新しくなりました。

工事の間、2016年と2017年の凱旋門賞はシャンティイ競馬場で行われました。パリロンシャンに戻ったのは2018年です。コース面では、改修後に導入された仮柵のオープンストレッチが変更点として挙げられます(後述)。

コースは何種類あり、どんな形ですか?

コースは5種類あり、周回コースの大(2750m)・中(2500m)・小(2150m)に、引き込み線から出る新コース(1400m)と、直線の1000mコースを加えた構成です。直線コースを除いて右回りです。

コース距離形
大コース2750m周回
中コース2500m周回
小コース2150m周回
新コース1400m引き込み線から
直線コース1000m直線

凱旋門賞が使うのは、このうち大コースの芝2400mです。

凱旋門賞のコース(芝2400m)にはどんな特徴がありますか?

凱旋門賞は大コースを使い、スタンドから見て左奥の風車の前からスタートする芝2400mです。JRAの紹介にもとづくコースの流れは、次のとおりです。

区間特徴
スタート〜約400m平坦
向正面最大勾配2.4%の上り
3コーナー過ぎ〜下りに転じる。1000〜1600m付近は600mで約10m下る設計
フォルスストレート約250m
最後の直線平坦で533m

高低差は約10mあり、JRAの競馬場でもっとも勾配のある中山競馬場(高低差5.3m)のほぼ倍にあたる、とJRAは紹介しています。

パリロンシャンでの凱旋門賞のレースレコードは、2011年にドイツのデインドリームが記録した2分24秒49です(2025年時点、JRAの紹介)。不良馬場だった2020年は、勝ったソットサスの時計が2分39秒30でした。馬場状態によって、走破時計が大きく変わることがわかります。

フォルスストレート(偽りの直線)とは何ですか?

フォルスストレートは、最後の直線の手前にある、もう一つの直線状の区間で、JRAは250mほどと紹介しています。ここは本当の直線ではないため「偽りの直線」と呼ばれ、パリロンシャンの名物とされています。長さの数字は紹介する資料によって差があり、本稿ではJRAの表記を採っています。

その先にある実際の直線は平坦で、手前のゴール板まで533mです。スタンド前のゴール板は2つあり、奥のゴール板までは650mとJRA-VAN Worldは記しています。JRAは、533mを東京競馬場とほぼ同じ長さと紹介しています。東京競馬場の直線は525.9mです。

オープンストレッチとは何ですか?

オープンストレッチは、ゴールの約450m手前に設ける仮柵で、直線の入口付近のインコース側に走路をつくり、馬群が横に広がりやすくするための仕組みです。JRAは、改修後のコースの変更点として紹介しています。イギリスや南アフリカの一部の競馬場でも導入されているとのことです。

使うかどうかは開催によって異なると、JRAは説明しています。

凱旋門賞はいつ、なぜ始まりましたか?

凱旋門賞は、第一次世界大戦で打撃を受けたフランス競馬の立て直しをねらって、1920年に創設された芝2400mの国際競走です。JRA-VAN Worldによると、名称は、1919年7月14日に連合軍がエトワール凱旋門の周辺で戦勝パレードを行ったことにちなみます。最初のレースは1920年10月3日でした。

現在は毎年10月の第1日曜日に、3歳以上の牡馬・牝馬が出走できる競走として行われ、創設以来2400mで施行されています。

日本の馬は凱旋門賞でどんな結果を残してきましたか?

2025年までの記録では、日本調教馬の凱旋門賞優勝はなく、最高着順は2着で、これまでに4回あります。JRA-VAN Worldは、欧州域外の国から優勝馬は出ていないとも記しています。

年馬名結果
1969年スピードシンボリ日本調教馬の初挑戦(着外)
1999年エルコンドルパサー2着
2006年ディープインパクト3位入線後に失格
2010年ナカヤマフェスタ2着
2012年オルフェーヴル2着
2013年オルフェーヴル2着

この表と上の記述は2025年までの記録で、2026年の結果は反映していません。

なお、JRAはこの競馬場での日本馬の勝利例として、1999年にアグネスワールドがアベイドロンシャン賞でG1を制したことを紹介しています。凱旋門賞とは別のレースです。

現地へはどう行けばよいですか?

パリ市内の地下鉄1号線Porte Maillot駅や10号線Porte d’Auteuil駅、トラムT2のSuresnes Longchamp停留所などが、France Galopの公式ページで案内されています。同ページは、土日・祝日の開催日にはPorte MaillotとPorte d’Auteuilから無料のシャトルバスが出ると案内しています。

運行日や時刻、入場料は開催ごとに異なるため、行く前にFrance Galopの公式ページで開催日ごとの案内を確かめてください。

パリロンシャン競馬場は、パリ市街に近いブローニュの森の中にあり、約10mの高低差とフォルスストレート、533mの平坦な直線を備えた芝の競馬場です。1857年の開設から続く歴史があり、2015〜2018年の改修で今の姿になりました。

2026年の凱旋門賞そのものの出走馬や発走時刻、中継については、凱旋門賞2026の観戦ガイド をご覧ください。

どう確認したか

会場の基本数字は、France Galop公式の競馬場ページと沿革の記載から取っています。所在地、1857年4月27日の初開催、収容5万人、敷地約57ha(うち芝コース17ha)、5コース、スタート地点46か所、2018年4月の再開が対象で、2026年10月4日に直接確認しました。JRA-VAN Worldは敷地面積を「55haとも57haとも」と書いているため、本稿は運営団体であるFrance Galopの数字に合わせています。

コースの数値は、JRA公式の競馬場・コース紹介ページとJRA-VAN Worldのコース解説を、それぞれ元のHTMLで読んで確認しています。高低差、最大勾配2.4%、フォルスストレート、533mの直線、オープンストレッチ、レースレコードが対象です。自動要約は別のレース名や実在しないコースを返すことがあったため使っていません。JRAの紹介文は2025年8〜9月時点の記述で、France Galopの2026年10月4日時点のコース一覧と食い違う数字は見つかっていませんが、JRAの文面そのものを2026年の現況として確かめたわけではありません。

⚠️ フォルスストレートの長さは、資料によって数字が分かれます。JRAとja Wikipediaは250mほど、別の日本語ページには最大650mという記述もあります。本稿はJRAの表記を出典明記で採り、目安として扱っています。実際の直線は、JRAとJRA-VAN Worldがともに手前のゴール板まで533mと書いており、奥のゴール板までは650mとJRA-VAN Worldが記しています。東京競馬場の直線525.9mはJRA公式の東京競馬場コース紹介で確認しました。

高低差の内訳は、JRAが示す範囲にとどめています。高低差約10m、最大勾配2.4%、1000〜1600m付近で600mかけて約10m下る、という3点です。区間ごとのより細かい数字は、公式資料で確認できなかったため載せていません。オープンストレッチもJRAの一般的な説明にとどめており、2026年に使うかどうかは確認していません。

歴史の部分は、France Galop公式の沿革とJRA-VAN Worldの凱旋門賞ヒストリーページを軸に書いています。1857年の初開催、1863年のパリ大賞創設、1904年のスタンド石造化、戦災、2015〜2018年の改修はFrance Galopから、凱旋門賞の創設年・名称の由来・2016、2017年のシャンティイ開催はJRA-VAN Worldから取り、ja Wikipedia・en Wikipediaの記載とも一致することを確かめました。改修の総工費は、JRAが1億4000万ユーロと書く一方、ほかの資料では金額が異なるため、本稿には載せていません。

⚠️ 日本調教馬の成績は、2025年までの記録として書いています。JRA-VAN Worldの凱旋門賞ヒストリー(2025年までの記述)とja Wikipediaで、初挑戦(1969年スピードシンボリ)、2着4回(1999年エルコンドルパサー、2010年ナカヤマフェスタ、2012・2013年オルフェーヴル)、優勝なし、が一致しています。2026年の凱旋門賞の結果は本稿に反映しておらず、「優勝なし」「最高着順は2着4回」「レースレコード」の3点は、結果を確かめたうえで見直す予定です。

アグネスワールドの1999年アベイドロンシャン賞は、JRAが競馬場の紹介文で挙げている日本馬の勝利例として書いています。JRA-VAN Worldの古い記述には「唯一のG1勝利」という趣旨の文がありますが、2015年時点のものです。JRAの現行の文面は「唯一」とは断定していないため、本稿もそう書いていません。

⚠️ アクセスの案内は、France Galop公式の競馬場ページによります。地下鉄1号線・10号線、トラムT2、バス、開催日の無料シャトルが対象です。ただし同ページの料金表には今年の開催日と一致しない日付が残っていたため、料金と運行時刻は載せていません。

本稿は2026年10月4日夜(日本時間)時点の公開情報にもとづく、会場そのものの解説です。出走馬や発走時刻、競走の見どころなどは対象外としています。